Nature ハイライト
免疫学:抗腫瘍CAR T細胞療法の改善
Nature 576, 7786
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞は、がん患者の一部では抗腫瘍効果を仲介するが、T細胞の疲弊による機能不全と、固形腫瘍に対して有効でないことが重要な障壁となっている。C Mackallたちは今回、c-Jun–c-Fos AP-1転写因子の機能的欠損がヒトの疲弊CAR T細胞における機能不全を仲介していること、そして、c-Junを過剰発現するようCAR T細胞を改変するとCAR T細胞が疲弊に対する耐性を獲得し、マウス腫瘍モデルに大きな治療的恩恵をもたらすことを明らかにしている。この研究は、免疫療法の領域における主要なボトルネックについて取り組んだもので、CAR T細胞を改変して増殖させ、よりロバストなエフェクター機能を発揮させる方法を示している。
2019年12月12日号の Nature ハイライト
物性物理学:ギャップを飛び越える
ナノスケール材料:ナノスケールの電磁気学
材料科学:湿性煙道ガス中でCO2を捕捉する材料の探索のための金属有機構造体のコンピューターライブラリーのマイニング
進化学:ギガントピテクス属の近縁動物が明らかに
神経科学:脳における行動の諸変数の集団的表現
医学研究:動員された筋膜による深部創傷のパッチ修復
免疫学:抗腫瘍CAR T細胞療法の改善
遺伝学:ヒトの発生におけるクロマチン構造の獲得
微生物学:酸素発生型光合成の出現時期は再検討すべきか
構造生物学:マラリア原虫の薬剤抵抗性機構
構造生物学:T7SSの原子レベルの構造