Nature ハイライト

構造生物学:マラリア原虫の薬剤抵抗性機構

Nature 576, 7786

クロロキン(CQ)とピペラキン(PPQ)は、よく知られていて化学的に類縁なキニーネの後続としてマラリアの治療に使われている薬剤である。しかし、アジアではこの2つの薬に対する抵抗性が出現しており、もっと最近では、ピペラキン抵抗性が東南アジアで広がっている。抵抗性の主な決定因子が輸送体PfCRTであることは知られているが、抵抗性をもたらす機構は解明されていない。今回F Manciaたちは、この輸送体の7G8バリアント(クロロキン抵抗性だがピペラキンには感受性を示す)の構造を明らかにした。この研究は、一連の輸送体バリアントの機能研究および遺伝的研究を組み合わせることにより、PfCRTの複雑な抵抗性機構についての重要な手掛かりをもたらしている。この研究は、これから出現するだろう抵抗性機構をマラリア原虫に先立って解明するための基盤となる。

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