Nature ハイライト
構造生物学:T7SSの原子レベルの構造
Nature 576, 7786
マイコバクテリアのVII型分泌装置(T7SS)は膜に埋め込まれた多成分複合体で、発病に重要な病原性因子の輸送に働いている。S Geibelたちは今回、クライオ(極低温)電子顕微鏡を用いて、そのESX-3コア複合体の原子分解能での構造を初めて報告している。この結果によって、この装置の分子構造が解かれ、以前は知られていなかったが分泌に必須のATPアーゼドメインなど、その作用機構について新しい手掛かりが得られた。この構造からすると、T7SSの全体構造はこれまでに解かれた他の全ての細菌分泌装置とは異なっているようだ。
2019年12月12日号の Nature ハイライト
物性物理学:ギャップを飛び越える
ナノスケール材料:ナノスケールの電磁気学
材料科学:湿性煙道ガス中でCO2を捕捉する材料の探索のための金属有機構造体のコンピューターライブラリーのマイニング
進化学:ギガントピテクス属の近縁動物が明らかに
神経科学:脳における行動の諸変数の集団的表現
医学研究:動員された筋膜による深部創傷のパッチ修復
免疫学:抗腫瘍CAR T細胞療法の改善
遺伝学:ヒトの発生におけるクロマチン構造の獲得
微生物学:酸素発生型光合成の出現時期は再検討すべきか
構造生物学:マラリア原虫の薬剤抵抗性機構
構造生物学:T7SSの原子レベルの構造