Nature ハイライト
物性物理学:二次元モアレ超格子における電子相関の量子シミュレーション
Nature 579, 7799
物質における強い電子相関によって、非従来型超伝導が生じる可能性がある。昨年、ねじれ2層グラフェンにおいてそうした相関状態が発見されてから、二次元モアレ超格子での強い電子相関が集中的に研究されている。格子上で相互作用する量子粒子に関するハバードモデルは、強相関系を記述する最も単純だが理論的に解くことのできないモデルの1つである。今回K Makたちは、遷移金属ジカルコゲニド・ヘテロ構造によって形成されたモアレ超格子において、二次元三角格子ハバードモデルを実現している。彼らは、電荷キャリア密度を増大させると弱い強磁性状態へ変化する、反強磁性挙動を示すモット絶縁体状態を観測した。今回の結果は、ハバードモデルや強相関物理の量子シミュレーション向けに新しい固体プラットフォームを提示するものである。
2020年3月19日号の Nature ハイライト
物性物理学:二次元モアレ超格子における電子相関の量子シミュレーション
物性物理学:二次元モアレ超格子における一般化されたウィグナー結晶
生物物理学:拡散理論の飛躍
材料科学:粒界の相変態
フローケミストリー:中央ステーションを通る自動合成
古生物学:初期の鳥類
神経科学:ハエに見られる極端な嗅覚特化の神経相関
植物科学:植物組織の定量的アトラス
細胞生物学:統合的ストレス応答に役割を果たす新しい因子群
生化学:小胞体で機能するグルコシルトランスフェラーゼの構造
分子生物学:クロマチンのリモデリング