Nature ハイライト

物性物理学:二次元モアレ超格子における電子相関の量子シミュレーション

Nature 579, 7799

物質における強い電子相関によって、非従来型超伝導が生じる可能性がある。昨年、ねじれ2層グラフェンにおいてそうした相関状態が発見されてから、二次元モアレ超格子での強い電子相関が集中的に研究されている。格子上で相互作用する量子粒子に関するハバードモデルは、強相関系を記述する最も単純だが理論的に解くことのできないモデルの1つである。今回K Makたちは、遷移金属ジカルコゲニド・ヘテロ構造によって形成されたモアレ超格子において、二次元三角格子ハバードモデルを実現している。彼らは、電荷キャリア密度を増大させると弱い強磁性状態へ変化する、反強磁性挙動を示すモット絶縁体状態を観測した。今回の結果は、ハバードモデルや強相関物理の量子シミュレーション向けに新しい固体プラットフォームを提示するものである。

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