Nature ハイライト
細胞生物学:統合的ストレス応答に役割を果たす新しい因子群
Nature 579, 7799
哺乳類細胞では、ミトコンドリアの機能不全は統合的ストレス応答(ISR)を開始させ、その結果、eIF2α(eukaryotic translation initiation factor 2α)のリン酸化が増大し、転写と翻訳の調節を介してストレス適応が起こる。しかし、ミトコンドリアストレスを細胞質に伝えて、ISRを引き起こす仕組みは分かっていない。今回2つの研究チームが独立に同じ結論にたどり着いた。M Kampmannたちはゲノム規模のCRISPR干渉スクリーニングを用い、L Jaeたちは一倍体の遺伝的スクリーニングによりこの疑問に取り組んだ。両研究チームの主な知見から、ミトコンドリアストレスに応答してOMA1と呼ばれるミトコンドリアのプロテアーゼが活性化され、これが機能のよく分かっていなかったDELE1と呼ばれるミトコンドリア内膜タンパク質の切断につながることが明らかになった。その結果、DELE1は細胞質ゾルに蓄積できるようになり、DELE1はそこでHRI(haem-regulated inhibitor)と呼ばれる特異的なeIF2αキナーゼと相互作用して、これを活性化する。
2020年3月19日号の Nature ハイライト
物性物理学:二次元モアレ超格子における電子相関の量子シミュレーション
物性物理学:二次元モアレ超格子における一般化されたウィグナー結晶
生物物理学:拡散理論の飛躍
材料科学:粒界の相変態
フローケミストリー:中央ステーションを通る自動合成
古生物学:初期の鳥類
神経科学:ハエに見られる極端な嗅覚特化の神経相関
植物科学:植物組織の定量的アトラス
細胞生物学:統合的ストレス応答に役割を果たす新しい因子群
生化学:小胞体で機能するグルコシルトランスフェラーゼの構造
分子生物学:クロマチンのリモデリング