Nature ハイライト

Cover Story:ぬれずに丈夫:機械的に堅牢な超疎水表面

Nature 582, 7810

超疎水表面は、ぬれや汚れを生じさせず、生物の付着を避けられるため、バイオテクノロジーや医学においてさまざまに応用されている。その撥水性は、液体と表面の接触を最小にするナノスケールの表面粗さに由来する。しかし、これによって表面が壊れやすくもなるという問題が生じるため、高い撥水性と材料の堅牢性は相いれない特性であると一般的には考えられてきた。今回R RasとX Dengたちは、高い撥水性を与えるナノ構造と、そうしたナノ構造を組み込むポケットがあるマイクロ構造フレームという2つの長さスケールで構成された表面を提示し、撥水性と堅牢性が両立することを示している。著者たちは、このフレームがナノ構造を保護する「よろい」となると説明しており、この概念をシリコン、セラミックス、金属、透明ガラスに適用して、鋼の刃や紙やすりによる摩耗に耐え得る超疎水表面を形成できると述べている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度