Nature ハイライト
免疫学:ヒトにおけるインフルエンザワクチン接種に対する胚中心B細胞応答
Nature 586, 7827
J Turnerたちは今回、季節性インフルエンザワクチンに対するヒトB細胞応答について調べている。ワクチン接種の1週間後に循環抗体分泌形質芽細胞の一過性の波がピークに達し、次いでこれまでに遭遇したインフルエンザウイルス抗原決定基に特異的な抗体が産生された後、流入領域リンパ節でロバストな胚中心反応が起こり、これが最大9週間持続することが明らかになった。胚中心反応は、早期の形質芽細胞応答とオーバーラップする高度に変異が見られるB細胞クローンと、体細胞高頻度変異の頻度が低いワクチン株特異的クローンの両方で構成されていた。この結果から、季節性インフルエンザウイルスワクチン接種によってヒトで胚中心反応が起こり得ること、そして記憶B細胞とナイーブB細胞の不均一な集団が胚中心反応に動員されることが実証された。
2020年10月1日号の Nature ハイライト
ナノスケール材料:単層グラフェンを用いたマイクロ波検出器
化学:酵素を用いる合成化学
気候科学:グリーンランド氷床からの質量損失は間もなく過去1万2000年で最大に
神経科学:解離状態の神経リズム
幹細胞:単一細胞レベルでの細胞の再プログラム化
微生物学:微生物相を介した腸の修復
コロナウイルス:SARS-CoV-2薬の大規模スクリーニング
免疫学:ヒトにおけるインフルエンザワクチン接種に対する胚中心B細胞応答
創薬:抗生物質の全合成
構造生物学:de novoなDNAメチル化