Nature ハイライト
化学:単純な塩から複雑な結晶を作る
Nature 590, 7845
超分子構造の化学的特性や物理的特性は、構成要素の性質やそれらの自己集合の様式に支配される。自己集合の様式を理解することは、これまで以上に有用な機能性材料を合理的に設計する上で極めて重要である。今回R Montisたちは、この課題がいかに難しいかについて現実を突き付け、単純な有機塩からでも極めて複雑な自己集合構造が生じ得ることを実証している。ファムプリジン塩酸塩は結晶化すると4つの異なる構造を形成し、そのうち2つが非常にまれなフランク–カスパー相であることが見いだされた。この相が有機小分子で観察されたのは初めてである。今回の結果は、この新しいクラスの複雑有機結晶材料を研究する実験的・概念的プラットフォームをもたらす。
2021年2月11日号の Nature ハイライト
天体素粒子物理学:暗黒物質の量子的な探索
超伝導材料:モアレ3層グラフェンにおける超伝導
光学・フォトニクス:汎用3D撮像プラットフォーム
化学:単純な塩から複雑な結晶を作る
古生物学:ハラミヤ類の謎が解けた
集団遺伝学:豊富な表現型情報を持つ多様な人々から得たTOPMedゲノム
脊髄損傷:脊髄刺激によって脊髄損傷による血圧不安定性を阻止する
コロナウイルス:弱毒生黄熱ウイルス17D株(YF17D)ベクターを用いるSARS-CoV-2ワクチン
代謝:インスリン受容体シグナル伝達についての概念を見直す
分子生物学:空間的ゲノミクス