Nature ハイライト
分子生物学:空間的ゲノミクス
Nature 590, 7845
ゲノムの構造、核内構造体、クロマチン修飾、遺伝子発現の同一細胞内での関係を解明するのは難問だが、それは複数の測定のモダリティーの統合が難しいからである。今回L Caiたちは、マルチモーダルな空間的解析という手法について報告している。この手法によって、彼らは1個のマウス胚性幹細胞で、DNA seqFISH+に、連続免疫蛍光法による17のクロマチン標識と核内構造、それに70のRNAの発現プロファイルを組み合わせることで、染色体の3660の座位を画像化した。複数の画像を統合することにより、1個の細胞中の染色体構造は不均一であるにもかかわらず、核全体にわたって見られる特徴に変動はなく、多数の活性な遺伝子座が核内構造体の表面や領域の界面に存在することが明らかになった。
2021年2月11日号の Nature ハイライト
天体素粒子物理学:暗黒物質の量子的な探索
超伝導材料:モアレ3層グラフェンにおける超伝導
光学・フォトニクス:汎用3D撮像プラットフォーム
化学:単純な塩から複雑な結晶を作る
古生物学:ハラミヤ類の謎が解けた
集団遺伝学:豊富な表現型情報を持つ多様な人々から得たTOPMedゲノム
脊髄損傷:脊髄刺激によって脊髄損傷による血圧不安定性を阻止する
コロナウイルス:弱毒生黄熱ウイルス17D株(YF17D)ベクターを用いるSARS-CoV-2ワクチン
代謝:インスリン受容体シグナル伝達についての概念を見直す
分子生物学:空間的ゲノミクス