Nature ハイライト
化学:分子ポンプ
Nature 594, 7864
ナノカーやポンプなど、数種の分子スケールの機械が作製されてきた。こうしたポンプは技術的に素晴らしいが、動作を持続させるには手作業による入力が必要である。今回D Leighたちは、化学燃料の存在下で触媒過程によって駆動される分子ポンプを設計した。これによって、この分子ポンプは動作枠内でおおむね自律的に動作する。燃料によって、軸の片端にストッパーとなる分子が取り付き、次いでこれが大環状分子を連係させる。この機構によって最大で3つの環を軸上に送り込むことができ、これらの環は燃料が存在する限り軸にとどまる。
2021年6月24日号の Nature ハイライト
量子物理学:最大規模の量子チップを用いた量子シミュレーション
物性物理学:電子に引きずられる光子
材料科学:動作中の電池を詳しく調べる
化学:分子ポンプ
発生生物学:毛包発生の「テレスコープ」モデル
コロナウイルス:多量体フェリチンナノ粒子ベースの汎ベータコロナウイルスワクチンの候補の開発
心血管疾患:MARK4は微小管の脱チロシン化を変化させて虚血性心不全を調節する
がん:肝臓に常在するナチュラルキラー細胞はがん細胞の休眠を維持する
分子生物学:Spo11によるDNAギャップの形成
構造生物学:神経伝達物質がその受容体を介してシグナルを伝える仕組み
構造生物学:グルタミン酸シグナル伝達の複雑さ