Nature ハイライト
構造生物学:神経伝達物質がその受容体を介してシグナルを伝える仕組み
Nature 594, 7864
大型のGタンパク質共役受容体ファミリーの大半とは違って、クラスC受容体は二量体で大きな細胞外ドメインを持つ。その相互作用やGタンパク質を介したシグナル伝達の分子レベルでの仕組みはほとんど解明されていない。今回B Wuたちは、Gタンパク質と共役した代謝型グルタミン酸受容体の構造を明らかにしている。これらの受容体はグルタミン酸(中枢神経系の主要な興奮性神経伝達物質)によって活性化され、シグナルを伝える。今回得られた構造から、これらの受容体が1個のGタンパク質とだけ共役して二量体を形成する仕組みが明らかになり、非対称なシグナル伝達がどのようにして達成されるのか、その基盤が明らかになった。
2021年6月24日号の Nature ハイライト
量子物理学:最大規模の量子チップを用いた量子シミュレーション
物性物理学:電子に引きずられる光子
材料科学:動作中の電池を詳しく調べる
化学:分子ポンプ
発生生物学:毛包発生の「テレスコープ」モデル
コロナウイルス:多量体フェリチンナノ粒子ベースの汎ベータコロナウイルスワクチンの候補の開発
心血管疾患:MARK4は微小管の脱チロシン化を変化させて虚血性心不全を調節する
がん:肝臓に常在するナチュラルキラー細胞はがん細胞の休眠を維持する
分子生物学:Spo11によるDNAギャップの形成
構造生物学:神経伝達物質がその受容体を介してシグナルを伝える仕組み
構造生物学:グルタミン酸シグナル伝達の複雑さ