Nature ハイライト
物性物理学:ねじれなしに生じる強相関相
Nature 598, 7881
最近、モアレ物質、特にねじれ多層グラフェンにおいて、超伝導などの強相関相が観測されている。モアレ超格子が存在するとフラットバンドが現れるため、モアレ超格子の電子は強く相互作用する。今回A Youngたちは、モアレ超格子が存在しなくても、菱面体晶3層グラフェンにおいて同じ相関磁性相や相関超伝導相が生じることを2報の論文で報告している。こうした相関は、状態密度が発散するファンホーブ特異点と関係しており、モアレフラットバンドを模倣している。今回の結果は、モアレ物質より単純な系の相関相の背後にある機構に関する今後の理論的研究や実験的研究を促進させるだろう。
2021年10月21日号の Nature ハイライト
物性物理学:ねじれなしに生じる強相関相
応用物理学:磁場による非磁性物体の操作
化学:アルコールを構成要素として用いる
気候科学:大気中を浮遊するマイクロプラスチックが気候に及ぼし得る影響
生態学:生態系機能の成分
神経科学:睡眠中の感覚処理
神経科学:レチノイン酸シグナル伝達が霊長類の脳発達を推進する
神経科学:樹状突起スパインがヒトとアカゲザルを分ける
植物科学:植物の複数の免疫応答をつなぐもの
創薬:デングウイルス感染に効く新しい化合物
生化学:タイプI-GのCRISPRシステムの作用機構