Nature ハイライト

化学:アルコールを構成要素として用いる

Nature 598, 7881

アルコールは、有機分子によく見られる官能基である。では、そうしたアルコールをクロスカップリング反応に直接使って新たな炭素–炭素結合を形成できるとしたら、どうだろう。今回D MacMillanたちは、N-ヘテロ環カルベン試薬によってアルコールを活性化し、C–O結合を開裂する方法を報告している。結合開裂によって生成した炭素ラジカルは、Ni/光酸化還元触媒反応において芳香族の構成要素と反応することができ、これによって新しいC–C結合が形成される。この方法は、さまざまな種類のアルコールに有効であり、タキソールや、抗糖尿病薬のブロックバスターであるジャヌビアを用いて実証された。

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