Nature ハイライト
化学:アルコールを構成要素として用いる
Nature 598, 7881
アルコールは、有機分子によく見られる官能基である。では、そうしたアルコールをクロスカップリング反応に直接使って新たな炭素–炭素結合を形成できるとしたら、どうだろう。今回D MacMillanたちは、N-ヘテロ環カルベン試薬によってアルコールを活性化し、C–O結合を開裂する方法を報告している。結合開裂によって生成した炭素ラジカルは、Ni/光酸化還元触媒反応において芳香族の構成要素と反応することができ、これによって新しいC–C結合が形成される。この方法は、さまざまな種類のアルコールに有効であり、タキソールや、抗糖尿病薬のブロックバスターであるジャヌビアを用いて実証された。
2021年10月21日号の Nature ハイライト
物性物理学:ねじれなしに生じる強相関相
応用物理学:磁場による非磁性物体の操作
化学:アルコールを構成要素として用いる
気候科学:大気中を浮遊するマイクロプラスチックが気候に及ぼし得る影響
生態学:生態系機能の成分
神経科学:睡眠中の感覚処理
神経科学:レチノイン酸シグナル伝達が霊長類の脳発達を推進する
神経科学:樹状突起スパインがヒトとアカゲザルを分ける
植物科学:植物の複数の免疫応答をつなぐもの
創薬:デングウイルス感染に効く新しい化合物
生化学:タイプI-GのCRISPRシステムの作用機構