Nature ハイライト
物性物理学:超伝導カゴメ物質における電荷秩序
Nature 599, 7884
遷移金属カゴメ物質には、フラストレート状態、相関状態、トポロジカル状態といった物質状態が存在する。最近のいくつかの研究で、こうしたさまざまな状態間の相互影響が調べられており、昨年はバナジウム系カゴメ金属群において、カゴメ物質として初めて超伝導が観測された。今回H Gaoたちは、この超伝導状態が非従来型であり、強結合領域にあることを示している。さらに、彼らの研究チームとI Zeljkovicたちの研究チームがそれぞれ、ロトン対密度波を含む複数の電荷秩序状態が存在することを示している。これらの結果は、バナジウム系カゴメ金属に非従来型超伝導などのさまざまな相関相が存在することを実証するものであり、超伝導銅酸化物のように、類似した電子相を示す物質との比較研究の動機となる。
2021年11月11日号の Nature ハイライト
物性物理学:超伝導カゴメ物質における電荷秩序
化学:工業用プロパン脱水素化向けの単純かつスケーラブルな触媒の作製
気候科学:最終氷期極大期以降の全球表面温度の再構築
進化学:転がる苔虫は化石を生ぜず?
ゲノミクス:タリム盆地のミイラの意外な起源
植物科学:根の成長のための複雑なオーキシンシグナル伝達
コロナウイルス:COVID-19におけるウイルス誘導性老化
腫瘍生物学:カロリー制限は脂質代謝の脱調節を介して腫瘍増殖を減少させる
細胞生物学:Nf1タンパク質の構造
構造生物学:カイニン酸受容体での神経伝達の調節