Nature ハイライト
構造生物学:カイニン酸受容体での神経伝達の調節
Nature 599, 7884
カイニン酸受容体は、脳にあってグルタミン酸により活性化されるイオンチャネル型受容体の一種で、神経伝達に関わっている。この受容体はNETO(neuropilin and tolloid-like)タンパク質によって調節されているが、その調節機構はまだ解明されていない。今回Y Zhaoたちは、NETO2と複合体を形成したカイニン酸受容体の静止状態と脱感作状態の両方の構造を報告している。1個もしくは2個のNETO2タンパク質が広範囲にわたって受容体と相互作用しており、受容体の全長にわたって効果的に絡み付いて、さまざまな状態間で起こる構造再編成を妨げている。
2021年11月11日号の Nature ハイライト
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化学:工業用プロパン脱水素化向けの単純かつスケーラブルな触媒の作製
気候科学:最終氷期極大期以降の全球表面温度の再構築
進化学:転がる苔虫は化石を生ぜず?
ゲノミクス:タリム盆地のミイラの意外な起源
植物科学:根の成長のための複雑なオーキシンシグナル伝達
コロナウイルス:COVID-19におけるウイルス誘導性老化
腫瘍生物学:カロリー制限は脂質代謝の脱調節を介して腫瘍増殖を減少させる
細胞生物学:Nf1タンパク質の構造
構造生物学:カイニン酸受容体での神経伝達の調節