Nature ハイライト 生理:ヒトをかぎつける遺伝子 2007年1月4日 Nature 445, 7123 多くの昆虫には、二酸化炭素を感知するニューロンが備わっている。それを何に使うかは昆虫の生態によってさまざまで、例えばスズメガは、チョウセンアサガオの花の質の良し悪しを知るために使う。身近なところでは、カなどの血を吸う昆虫はヒトが発する二酸化炭素にひかれて寄ってくる。ショウジョウバエも、このようなセンサーをもっており、今回Gr21aとGr63aという2種類の受容体が見つかった。この2種類のうちどちらか一方しかもたないハエは二酸化炭素を感知できないが、両方の遺伝子をニューロンで発現しているハエは二酸化炭素を感知できる。マラリアを媒介するカにも似たような遺伝子があるので、カが刺す相手を見つけられないようにするには、これらの受容体を標的にした薬剤が有効かもしれない。 2007年1月4日号の Nature ハイライト 医学:がんの幹細胞 物理:小さい孔を通る光 進化:酸素を取り込んだ膜タンパク質 宇宙:パルサーが高速で自転する訳 量子情報科学:量子計算の間違いをなくす 進化:化石の歯を調べる最先端の手法 遺伝:数でみる変異 生理:ヒトをかぎつける遺伝子 細胞:鉄のリベットをもつ古細菌 目次へ戻る