Nature ハイライト 生化学:抗生物質の新しい生産ライン 2007年8月16日 Nature 448, 7155 アンドリミド(andrimid)は、この20年ほどの間に数種の異なったタイプの細菌から単離された抗生物質で、非リボソーム性に合成されるペプチド-ポリケチドである。アンドリミドは細菌のアセチルCoAカルボキシラーゼをナノモル濃度で阻害し、この酵素が阻害されると、原核生物の脂肪酸生合成の最初のステップが停止する。Fortinたちは、アンドリミドの生合成にかかわる酵素の1つであるAdmFが、天然の合成経路で重要なアミド結合の形成を触媒しているトランスグルタミナーゼ(TGase)様酵素であることを明らかにした。TGase様酵素がある種の抗生物質の生合成にかかわっていることが報告されたのは、今回が初めてである。今回の結果は、AdmF、あるいは他の微生物由来の近縁のTGase様酵素が、薬剤耐性病原菌用の新しい「非天然」抗生物質の生産に使える可能性を示している。 2007年8月16日号の Nature ハイライト 地球:断層をすべりやすくする滑石 医学:癌と老化 宇宙:ミラのイメージ 物理:大きく育ったシュレディンガーの猫 材料:単成分金属ガラスを調べる 気候:オゾンと地球温暖化 医学:Lkb1と癌の因果関係 生化学:抗生物質の新しい生産ライン 生態:分散の種子をまくのは雌 目次へ戻る