Nature ハイライト 地球:断層をすべりやすくする滑石 2007年8月16日 Nature 448, 7155 サンアンドレアス断層の一部でクリープ速度が大きいことは、蛇紋岩化した岩石に関係する断層強度の低さが原因とされてきた。だが、蛇紋石鉱物の摩擦強度は断層強度の限界を説明するには高すぎると考えられるため、この説明は疑わしい。D MooreとM Rymerは、クリープ速度が高い原因が滑石の存在である可能性を報告している。滑石は、柔らかいマグネシウム・ケイ酸塩鉱物で、その純粋な形はタルカムパウダーとしてよく知られている。彼らは、2005年にサンアンドレアス断層掘削研究計画(SAFOD)の主要掘削孔で行われた掘削の際に採取された蛇紋岩試料中に、滑石を見つけた。高温での滑石の摩擦強度は十分低く、断層の剪断強度の制約条件を満たし、その本質的に安定したすべり挙動は断層クリープと一致している。 2007年8月16日号の Nature ハイライト 地球:断層をすべりやすくする滑石 医学:癌と老化 宇宙:ミラのイメージ 物理:大きく育ったシュレディンガーの猫 材料:単成分金属ガラスを調べる 気候:オゾンと地球温暖化 医学:Lkb1と癌の因果関係 生化学:抗生物質の新しい生産ライン 生態:分散の種子をまくのは雌 目次へ戻る