Nature ハイライト 細胞:光を熱に変えて身を守る 2007年11月22日 Nature 450, 7169 植物は成長するのに太陽光を必要とするが、光が強すぎるときには、退色といった損傷から身を守ることも必要だ。そのために、葉緑体の集光アンテナは、過剰な光が存在すると光防御された消光状態に急速に切り替わる。切り替えの後、傷害を与える恐れのある吸収エネルギーは熱として放散される。このエネルギー散逸過程の機構の研究が、共鳴ラマン分光法を用いて無傷の葉緑体膜と葉そのままを使って行われた。緑色植物の主要な集光性複合体であるLHCIIは、環境条件の変化に応じてコンホメーション状態を切り替えていることが明らかになった。LHCIIはコンホメーションを切り替えることでエネルギーフローを統御して、光合成のための光エネルギーの捕捉と熱としてのその放散の間のバランスを制御している。 2007年11月22日号の Nature ハイライト 宇宙:大気の主要成分が炭素の白色矮星 心理:赤ちゃんにも人を見る目がある 生理:抗うつ薬で寿命が延びる 嗅覚:におわなければ怖くない 物性:フェルミ面にできたポケット 環境:茶色の水 環境:海の二酸化炭素 微生物:シロアリが木材を消化する仕組み 細胞:光を熱に変えて身を守る 目次へ戻る