Nature ハイライト 環境:茶色の水 2007年11月22日 Nature 450, 7169 北米と北欧の氷河作用を受けた辺鄙な地域の多くで、表面水の色が溶存有機炭素濃度の上昇につれて、より茶色くなっているという報告が増えてきている。こうした影響を説明するため、最近の気候変化を含めていくつかの仮説が提案されているが、この問題についてはまだ議論が続いている。500カ所以上の人里離れた湖と川から得た時系列データを使った新しい調査を簡単なモデルと組み合わせて、溶存有機炭素濃度の増加が、実際に大気降下物の硫黄含有量と海塩含有量の減少と密接に関係していることが今回示された。それゆえ、溶存有機炭素濃度は、19世紀中の酸性雨が始まる前に典型的であったと思われるレベルに戻りつつあるのかもしれない。 2007年11月22日号の Nature ハイライト 宇宙:大気の主要成分が炭素の白色矮星 心理:赤ちゃんにも人を見る目がある 生理:抗うつ薬で寿命が延びる 嗅覚:におわなければ怖くない 物性:フェルミ面にできたポケット 環境:茶色の水 環境:海の二酸化炭素 微生物:シロアリが木材を消化する仕組み 細胞:光を熱に変えて身を守る 目次へ戻る