Nature ハイライト 心理:赤ちゃんにも人を見る目がある 2007年11月22日 Nature 450, 7169 社会的関係をうまく結ぶには、味方であれ敵であれ、他者の意図を判断する能力が鍵となる。生後6カ月と10カ月の乳児を対象とした新たな研究によって、ヒトはこれまで考えられていたよりも早くから、つまり、言葉を使えるようになる前から社会的評価を行っていることが明らかになった。乳児は、個人の社会的行動を基準にその人物を評価しているらしい。すなわち、全く関係ない第三者が目的を達成しようとするのを手伝う人物には好感を寄せ、第三者が目的を達成するのを妨害する人物は避けようとする。この知見は、乳児にも大人に似た社会的評価の原型のようなものが備わっているという説を裏付けている。この能力は生物学的適応の1つである可能性があり、また、その後の人生における道徳的思考や行動の基盤になっているのかもしれない。 2007年11月22日号の Nature ハイライト 宇宙:大気の主要成分が炭素の白色矮星 心理:赤ちゃんにも人を見る目がある 生理:抗うつ薬で寿命が延びる 嗅覚:におわなければ怖くない 物性:フェルミ面にできたポケット 環境:茶色の水 環境:海の二酸化炭素 微生物:シロアリが木材を消化する仕組み 細胞:光を熱に変えて身を守る 目次へ戻る