Nature ハイライト

宇宙:土星に見つかったもう1つの環

Nature 450, 7172

地球のはるか上層を環状にめぐる捕捉された粒子の流れ、つまり環状電流が存在するという考えが初めて出てきたのは、20世紀の早い時期である。この考えの正しいことは証明されていて、電流の範囲と組成は1957年に測定された。その後、これとは性質の異なる環状電流が木星で観測され、土星にも存在すると推測されていた。カッシーニ探査機に搭載された磁気圏撮像装置が今回、土星の環電流の画像をとらえた。この電流は変動が激しく、土星とほとんど一体となって回転する、経度方向の強い非対称性をもっている。これは地球の環電流とは対照的で、地球の場合には回転による変調がなく、最初に生じた非対称性は局所的な効果によって決まっている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度