Nature ハイライト

医学:マラリア原虫が宿主体内で示す3つの状態

Nature 450, 7172

マラリアの解明における大きな難問の1つは、感染した小児に認められる臨床症状が、軽いインフルエンザ様症状から昏睡や死亡に至るものまで、幅が広いことである。ヒトの患者から単離したマラリア原虫について大規模な転写解析が行われ、臨床症状のこうした違いを説明できそうな手掛かりが見つかった。熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)は、宿主であるヒトの体内では3つの異なる生理的状態、すなわち、活発な増殖状態、飢餓に対する応答状態、および環境ストレス応答状態をとっている。今回の知見は、現在使われている薬物による治療と、将来の薬物およびワクチン開発の双方にとって重要なかかわりがある。

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