Nature ハイライト

地球:誘発地震が遅れて起こる理由

Nature 451, 7174

地震波によって発生した微小な歪みは、数千キロメートルも離れたところで地震を誘発することがあり、破壊は地震波が通過した後かなり経ってから起こることが多い。この動的な地震誘発現象の背後にある機構はわかっていない。粉粒体の摩擦を実験的に調べることは断層帯における現象を調べる上で有効な手法となっているが、それは今回の、粉粒体媒質(ガラスビーズ)の固着すべりを、地震誘発をシミュレートする音波を入力して追跡した新しい実験からも示されている。今回の結果は、誘発された余震に対応する規模の小さな破壊事象は、十分大きい振幅の音波を加えたときに起きることを示している。振動は大きなすべりも、波による摂動がない場合と比較すると、時間的に離れて発生させる。このことは、テクトニック断層の動的な応力が、地震再来現象の複雑性の決定に役割を果たしている可能性を示唆している。

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