Nature ハイライト 細胞:NUMBの抗癌作用 2008年1月3日 Nature 451, 7174 NUMBタンパク質は、NOTCHファミリーの細胞膜受容体との相互作用を介して細胞運命の決定にかかわっており、またエンドサイトーシスでも働いている。ヒトの乳癌ではNUMBの発現が低下していることが知られている。今回、NUMBが腫瘍抑制タンパク質として働くことがわかった。NUMBはユビキチンリガーゼHdm2を阻害し、それによって重要な腫瘍抑制タンパク質p53の分解を防ぐのである。さらに、乳癌では、NUMBの発現量の低さが予後不良に結びつくこともわかった。これらの知見は、細胞生物学でこれまで無関係と考えられていた2つの分野を結びつけるもので、癌の合理的治療法の設計にかかわってきそうだ。 2008年1月3日号の Nature ハイライト 生理:昆虫の浮気を防止する受容体 宇宙:ついに見つかった若い太陽系外惑星 材料:ナノクラスター構造体 気候:秋の温暖化 気候:上に行くほど暖かい 地球:誘発地震が遅れて起こる理由 医学:ダウン症候群が癌予防の道標に 細胞:NUMBの抗癌作用 工学:さらによいバイオ燃料を求めて 目次へ戻る