Nature ハイライト 生理:幹細胞放出は概日リズムにのって 2008年3月27日 Nature 452, 7186 造血幹細胞(HSC)は血液中を循環し、体中のあらゆる場所へと移動できる。HSCの血液中への放出が、概日リズムによって制御されていることが明らかになった。マウスでは、連続的な光照射や12時間の時間のずれ、つまり「時差ぼけ」が引き起こす概日振動に対応して、HSC数にはっきりした変動がみられる。幹細胞ニッチでのケモカインCXCL12の発現のタイミングも、骨髄中の神経が局所的に送達するアドレナリン作動性シグナルに応じる形で概日振動に同調している。動物の睡眠中に幹細胞が血中に周期的に放出されることは、再生の一助となっているのかもしれない。 2008年3月27日号の Nature ハイライト 視覚:上を見るためのニューロン 物理:電子スピンを制御する 医学:肥満が複雑になってきた 生理:幹細胞放出は概日リズムにのって 化学:マンニッヒ反応を充実させる 古気候:海洋における段階的酸素化 神経:匂いの感じ方の性差 植物:気孔のイオンチャネル 目次へ戻る