Nature ハイライト 化学:マンニッヒ反応を充実させる 2008年3月27日 Nature 452, 7186 これまで有機化学反応の触媒は、酵素か金属錯体のいずれかだった。しかし最近、有機触媒として知られる有機小分子が、にわかに登場してきた。有機触媒は、マンニッヒ反応として知られる炭素-炭素結合形成過程をはじめとする、種々の有用な化学変換を促進するのに有効である。しかし、考えられる最も単純な基質であるアセトアルデヒドを使用した場合、これらの反応はうまくいったためしがなく、満足な結果は得られていなかった。Yangたちは今回、アセトアルデヒドを使ったマンニッヒ反応を進行させるのに効果のある触媒条件を確立することによって、この有機触媒反応の不足を満たした。この成果は、有機化学者が手に入れた化学反応の「道具箱」に格段の充実をもたらすものであり、生物活性をもつキラルな化合物を合成するのにとりわけ役立ちそうだ。 2008年3月27日号の Nature ハイライト 視覚:上を見るためのニューロン 物理:電子スピンを制御する 医学:肥満が複雑になってきた 生理:幹細胞放出は概日リズムにのって 化学:マンニッヒ反応を充実させる 古気候:海洋における段階的酸素化 神経:匂いの感じ方の性差 植物:気孔のイオンチャネル 目次へ戻る