Nature ハイライト 古気候:海洋における段階的酸素化 2008年3月27日 Nature 452, 7186 地球大気の酸素化は、約25億年前から5億5,000万年前にかけての原生代の始まりと終わりの近くという、2つの段階に分かれて進行したと考えられている。しかし、これら2つの段階の間における海洋の酸化状態と深海の酸素化が起こった時期は、まだよくわかっていない。Scottたちは、黒色頁岩から得られたモリブデンと全有機炭素のデータを用いて、この時期の海洋の酸化還元状態を調べた。モリブデンは栄養循環にかかわる重要な物質であり、その利用可能性は、地球の酸化還元状態に極めて敏感である。今回の結果は、地球の酸素化の歴史に新たな説明を加え、また、地球上への動物出現の前触れとなった事象の研究に関係すると思われる。 2008年3月27日号の Nature ハイライト 視覚:上を見るためのニューロン 物理:電子スピンを制御する 医学:肥満が複雑になってきた 生理:幹細胞放出は概日リズムにのって 化学:マンニッヒ反応を充実させる 古気候:海洋における段階的酸素化 神経:匂いの感じ方の性差 植物:気孔のイオンチャネル 目次へ戻る