Nature ハイライト 物理:超絶縁体の出現 2008年4月3日 Nature 452, 7187 薄い超伝導膜に無秩序性を導入すると、小滴状の電子テクスチャーが発生する。これは常伝導マトリックス中に埋まった超伝導島構造である。この無秩序性を微調整すると、この系を超伝導体から絶縁体へと変換できる。これまで特性が評価されていなかった、物質の「超絶縁」状態がこの過程に関与することを示す実験証拠が報告された。物質の「超絶縁」状態とは、超伝導体の「鏡像」に相当する抵抗無限大の状態を指す。超伝導体から絶縁体へ転移する間に、熱活性化された伝導率をもつはっきりした伝導性状態、つまりクーパー対絶縁体が形成される。窒化チタン膜での実験により、特定の有限温度において、クーパー対絶縁体が超絶縁体になることが示された。この状態は十分強い臨界磁場によって破壊され、特定の臨界電圧で崩壊するという点で超伝導に似ている。 2008年4月3日号の Nature ハイライト 物理:超絶縁体の出現 医学:煙の立つところに… 細胞:siRNAによる血管新生抑制 細胞:真菌の薬剤耐性 宇宙:太陽系外に地球を見つけ出す 気候:塵と気候の関係 細胞:マイトソームはいったい何をしている? 視覚:奥行きを片方の眼だけで判断する仕組み 目次へ戻る