Nature ハイライト 気候:塵と気候の関係 2008年4月3日 Nature 452, 7187 東南極大陸のドームCで掘削されたEPICA氷床コアからは、過去8回の気候サイクルの乱されていない記録が得られる。大気中の塵粒子は、太陽放射を吸収したり反射したりすることで気温に影響を及ぼしうる。そして、以前の研究で、塵の生成、輸送、堆積は、氷期-間氷期のタイムスケールで気候変化に影響されることが示唆されていた。今回、EPICAコア中の塵堆積物の記録が新たに解析され、大気中のダスト量のフラックスは、氷期に気候が寒冷化するにつれて、南極の気温との相関がより高くなり、より低緯度域の気候と南極との連続的な結合を示していることが明らかになった。8回すべての氷期にわたって氷期塵フラックスが約25倍増加していることがわかり、これは、氷期に南アメリカの塵の供給源が拡大したことと、水循環の低下によって上部対流圏の塵粒子の寿命が延びたことを反映している可能性がある。 2008年4月3日号の Nature ハイライト 物理:超絶縁体の出現 医学:煙の立つところに… 細胞:siRNAによる血管新生抑制 細胞:真菌の薬剤耐性 宇宙:太陽系外に地球を見つけ出す 気候:塵と気候の関係 細胞:マイトソームはいったい何をしている? 視覚:奥行きを片方の眼だけで判断する仕組み 目次へ戻る