Nature ハイライト 細胞:真菌の薬剤耐性 2008年4月3日 Nature 452, 7187 免疫無防備状態の患者をしばしば苦しめる日和見真菌感染症の治療では、多剤耐性(MDR)が深刻な問題である。MDRは、菌類がもつジンククラスター転写因子ファミリー(Pdr1pオーソログなど)による薬物排出ポンプの発現増大が原因である場合が多い。このほどThakurたちは、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)およびヒト病原性真菌であるCandida glabrataのPdr1p型分子がさまざまな構造の薬物および毒物と直接結合し、薬物排出ポンプの発現を誘導してMDRを引き起こすことを示した。病原性真菌のMDRを制御する分子経路の解明が進めば、これらの厄介な感染症に対処するための治療法の開発が促進されるだろう。 2008年4月3日号の Nature ハイライト 物理:超絶縁体の出現 医学:煙の立つところに… 細胞:siRNAによる血管新生抑制 細胞:真菌の薬剤耐性 宇宙:太陽系外に地球を見つけ出す 気候:塵と気候の関係 細胞:マイトソームはいったい何をしている? 視覚:奥行きを片方の眼だけで判断する仕組み 目次へ戻る