Nature ハイライト 視覚:奥行きを片方の眼だけで判断する仕組み 2008年4月3日 Nature 452, 7187 ヒトをはじめとする動物では、奥行きの判断を両眼視に基づいて行う場合があり、その際は脳が個々の眼からの画像を比較処理している。我々はまた、奥行きを片方の眼だけで判断することもあるが、単眼視の奥行き知覚の場合には、得られる多くの異なった手がかりを脳がどのように処理しているかはわかっていない。このような手かがりの1つについて、今回、説明がつけられそうだ。脳の中側頭野のニューロンが、網膜上のイメージの動きを表すだけでなく、視覚情報と物理的運動とを総合して、運動視差から奥行き情報を獲得する働きをするらしい。運動視差とは、例えば動いている列車の窓から景色を見たときに経験する、地平線上の物体はゆっくり動くのに対し、列車に近い物体は飛び去るように速く動く状態で、これは強力な奥行き手がかりとなる。 2008年4月3日号の Nature ハイライト 物理:超絶縁体の出現 医学:煙の立つところに… 細胞:siRNAによる血管新生抑制 細胞:真菌の薬剤耐性 宇宙:太陽系外に地球を見つけ出す 気候:塵と気候の関係 細胞:マイトソームはいったい何をしている? 視覚:奥行きを片方の眼だけで判断する仕組み 目次へ戻る