Nature ハイライト 細胞:siRNAによる血管新生抑制 2008年4月3日 Nature 452, 7187 ヒトで失明の原因となる加齢黄斑変性症の遅発性症状の1つである脈絡膜血管新生(CNV)のマウスモデルでの研究から、意外な発見があった。低分子干渉RNA(siRNA)はすべて、その標的とは関係なく、この疾患で起こる血管新生を抑制するというのである。VegfaあるいはVegfr1を標的とするsiRNAは、眼に直接注入した場合にCNVを抑制することが知られている。しかし、siRNAに一般的なこの抗血管新生作用は、siRNAの標的が何かには関係なく、またsiRNAを眼内へ投与する必要もない。siRNAは、ウイルスの長いdsRNAに対する細胞表面受容体TLR3(toll様受容体3)と自然免疫を活性化しているのである。 2008年4月3日号の Nature ハイライト 物理:超絶縁体の出現 医学:煙の立つところに… 細胞:siRNAによる血管新生抑制 細胞:真菌の薬剤耐性 宇宙:太陽系外に地球を見つけ出す 気候:塵と気候の関係 細胞:マイトソームはいったい何をしている? 視覚:奥行きを片方の眼だけで判断する仕組み 目次へ戻る