Nature ハイライト 物性:超伝導状態と擬ギャップ状態 2008年8月28日 Nature 454, 7208 銅酸化物高温超伝導体に関してずっと解決されていない謎の1つは、「擬ギャップ」、すなわち超伝導状態に特徴的なエネルギーギャップに似ているが非超伝導状態でも現れるエネルギーギャップの存在である。幸坂祐生たちは、超伝導状態と擬ギャップ状態の電子励起を詳しく調べ、2種類の大きく異なる挙動を見いだしている。1つは、運動量空間における状態であり、超伝導の原因と予想される非局在電子対に対応する。もう1つは、実空間に局在化した異常な状態であり、擬ギャップに対応する。これら2つの励起タイプの関係は、擬ギャップと超伝導の間の依然として不可解な関係に新たな見方をもたらし、実空間における電子局在化がその挙動の要となっている絶縁性親化合物の特性との概念的つながりを強めるものである。 2008年8月28日号の Nature ハイライト 生理:ヒトは何歳まで生きられる? 宇宙:「暗い」部分が多い銀河 物性:超伝導状態と擬ギャップ状態 心理:小児期の協力行動 細胞:タンパク質の品質管理 気候:鮮新世における地球寒冷化 地球:モデル化された地球ダイナモ 視覚:注意深く見てますか? 医学:抗インフルエンザ薬への手がかり 目次へ戻る