Nature ハイライト 視覚:注意深く見てますか? 2008年8月28日 Nature 454, 7208 もしこの文章が二度読まないと頭に入らないようなら、それは文章が下手くそだからかもしれない。しかし、読み手のアセチルコリンが足りないという可能性もある。皮質の感覚情報処理は、何かに選択的に注意を払うことで大きく変わるが、その調節がどのような仕組みでなされるのかは、長い間わからないままだった。光る対象の1つに注目し、その近くにあるもう1つの光る対象は無視するよう訓練されたマカクザルで、神経伝達物質のアセチルコリンを視覚皮質に投与すると、サルの成績が向上した。ムスカリン性アセチルコリン受容体のアンタゴニストを投与すると、これと反対の影響がみられたが、ニコチン性アセチルコリン受容体のアンタゴニストでは影響がなかった。この実験は、特定の対象に集中しているときに他の刺激を遮断できるようにするための脳機構の1つを明らかにしている可能性がある。 2008年8月28日号の Nature ハイライト 生理:ヒトは何歳まで生きられる? 宇宙:「暗い」部分が多い銀河 物性:超伝導状態と擬ギャップ状態 心理:小児期の協力行動 細胞:タンパク質の品質管理 気候:鮮新世における地球寒冷化 地球:モデル化された地球ダイナモ 視覚:注意深く見てますか? 医学:抗インフルエンザ薬への手がかり 目次へ戻る