Nature ハイライト 細胞:タンパク質の品質管理 2008年8月28日 Nature 454, 7208 ポリペプチドを天然に存在する形に折りたたむ過程を触媒する分子シャペロン系は非常に精巧にできているが、それでもタンパク質が誤った折りたたみ方をされることはある。細胞の正常な活動は、このような折りたたみの異常による「不良品」をどのように処理するかにかかっている。Kaganovichたちは、酵母と哺乳類細胞に含まれる品質管理経路が、可溶性のタンパク質と不溶性の凝集タンパク質とを識別して、これらを2種類ある封入体のどちらかへと誘導することを明らかにしている。プロテアソームで分解したり、折りたたみをやり直したりできる可溶性の折りたたみ異常タンパク質は、核の近くにある品質管理区画へと運ばれ、病気と関連のあるハンチンチンやプリオンのような不溶性のタンパク質凝集体は、オートファジー(自食作用)経路と関係する細胞質封入体へと隔離される。 2008年8月28日号の Nature ハイライト 生理:ヒトは何歳まで生きられる? 宇宙:「暗い」部分が多い銀河 物性:超伝導状態と擬ギャップ状態 心理:小児期の協力行動 細胞:タンパク質の品質管理 気候:鮮新世における地球寒冷化 地球:モデル化された地球ダイナモ 視覚:注意深く見てますか? 医学:抗インフルエンザ薬への手がかり 目次へ戻る