Nature ハイライト 気候:鮮新世における地球寒冷化 2008年8月28日 Nature 454, 7208 気候変動との関連で氷床の安定度は重要であるにもかかわらず、氷床の量を制御する機構に関する我々の理解はまだ大きく不足している。約300万年前の鮮新世末期に大規模な氷河作用が始まるまで、北半球の大部分では、3,000万年以上にわたって氷に覆われていたところがほとんどなかったと考えられている。当時のグリーンランド氷床の成長を説明するため、いくつかの仮説が提案されている。大気と海洋を完全に結合した大循環モデルと氷床モデルとを用いた新たなシミュレーションにより、大気中のCO2の減少が鮮新世におけるグリーンランド氷床の成長の支配的な原動力であったことが示された。これ以外の仮説、つまりパナマ海峡の閉鎖、エルニーニョの終息、地殻の隆起などは、このモデルで広範囲にわたる氷河作用を引き起こすのに十分ではない。 2008年8月28日号の Nature ハイライト 生理:ヒトは何歳まで生きられる? 宇宙:「暗い」部分が多い銀河 物性:超伝導状態と擬ギャップ状態 心理:小児期の協力行動 細胞:タンパク質の品質管理 気候:鮮新世における地球寒冷化 地球:モデル化された地球ダイナモ 視覚:注意深く見てますか? 医学:抗インフルエンザ薬への手がかり 目次へ戻る