Nature ハイライト 医学:関門を突破する 2008年10月23日 Nature 455, 7216 妊娠中にリステリア菌などの微生物感染が起こると、母親だけでなく胎児にも感染が及ぶことがあるが、病原菌がどのようにして胎盤関門を通過するのかはほとんどわかっていない。Dissonたちは、リステリア菌の一種であるListeria monocytogenesを感染させた、2種類の相補的な動物モデルを使ってこの過程について調べ、菌が胎盤へと移行するのには、2種類の病原性因子(侵入タンパク質)InlAとInlBの両方が必要なことを明らかにした。つまり、これらの経路の一方または両方を阻害すれば、菌が胎児へと感染するのを防げる可能性がある。逆にこの経路をうまく利用すれば、胎盤を通過して治療用分子を標的へと運ぶことも可能になるかもしれない。 2008年10月23日号の Nature ハイライト 腫瘍:がんの大規模ゲノミクス研究 宇宙:銀河の形成はもっと単純 進化:リボンのような謎の尾羽 量子情報科学:移動する記憶 化学:遷移金属で触媒酸化 進化:光合成の始まりはもっと遅かった 医学:糖尿病に立ち向かう微生物 医学:関門を突破する 植物:被子植物の受精の仕組み 目次へ戻る