Nature ハイライト 植物:ジベレリンの結合部位 2008年11月27日 Nature 456, 7221 ジベレリンは重要な植物ホルモンで、複数の成長過程を調節している。ジベレリンがその受容体GID1に結合すると、ジベレリンシグナル伝達を負に調節しているDELLAファミリーの転写調節因子が認識されるようになる。今週号では2つのグループが、2種類の植物種由来のジベレリン受容体の結晶構造を報告している。村瀬浩司(奈良先端科学技術大学院大学)たちは、シロイヌナズナ由来のジベレリンがGID1およびDELLAタンパク質断片と結合してできた三元複合体の構造を決定した。島田麻子(名古屋大学)たちは、イネのGID1に結合したジベレリンを使って研究を行った。これらの構造から、オーキシンの場合とは全く異なる受容体認識の仕組みが明らかになった。受容体構造を詳細に解明できれば、より有効性が高く、安価な農業用成長調節因子の設計に役立つ可能性がある。 2008年11月27日号の Nature ハイライト 植物:ジベレリンの結合部位 遺伝:1つの遺伝子から多数のタンパク質へ 宇宙:星の光に浮かび上がるエンセラダス 工学:集積回路で光圧を利用する 化学:原子を節約する 進化:原始のカメはどのように甲羅を発達させたか 細胞:筋の幹細胞 免疫:ILFの維持 生態:筋肉疲労のシグナル伝達 目次へ戻る