Nature ハイライト 免疫:ILFの維持 2008年11月27日 Nature 456, 7221 孤立性リンパ濾胞(ILF)は小腸の内壁にみられる特殊なリンパ組織で、侵入病原体から宿主を守るのにかかわっている。ILFの構成とその形成に必要な因子についての研究から、マウスの小腸では、グラム陰性細菌のペプチドグリカンの存在が上皮細胞の自然免疫にかかわる受容体NOD1によって認識されると、ILF形成が誘導されることがわかった。ILFの形態は、少数のB細胞集団から十分に組織化されたリンパ小節まで、多岐にわたる。形成されたILFは、腸内細菌叢の構成を制御するようになる。哺乳類での組織形成が微生物によって誘導されるというこの珍しい例は、細菌と宿主との積極的な「対話」が、消化と腸内病原体からの防御を効率よく行うのにどのようにかかわりうるのかを示している。 2008年11月27日号の Nature ハイライト 植物:ジベレリンの結合部位 遺伝:1つの遺伝子から多数のタンパク質へ 宇宙:星の光に浮かび上がるエンセラダス 工学:集積回路で光圧を利用する 化学:原子を節約する 進化:原始のカメはどのように甲羅を発達させたか 細胞:筋の幹細胞 免疫:ILFの維持 生態:筋肉疲労のシグナル伝達 目次へ戻る