Nature ハイライト 気候:北極域でのメタン放出を再検討する 2008年12月4日 Nature 456, 7222 高緯度域における大気メタンの季節サイクルで晩秋にみられるメタンの急増、つまり「肩」は規則的に現れる特徴だが、その起源ははっきりとしていない。Mastepanovたちは今回、土壌凍結が始まる期間の、高緯度北極域でのメタンフラックスの測定結果について報告している。この凍結に至る期間の全放出量は、夏季の全期間に放出されるメタンの量にほぼ等しい。大気化学輸送モデルに観測された初冬の放出量の爆発的増加を取り込むことで、シミュレートされた季節サイクルと北緯60度以北の大気データの間の差が少なくなる。これらの結果は、ツンドラ地帯からの、凍結に至る過程でみられる、永久凍土層に関連したメタンの爆発的増加が、高緯度域でのメタン放出の季節分布のこれまでに認識されていなかった重要な構成要素である可能性を示唆している。 2008年12月4日号の Nature ハイライト 宇宙:ティコ・ブラーエが観測した超新星はIa型だった 気候:北極域でのメタン放出を再検討する 細胞:幹細胞の老化 宇宙:金星の雲を調べる 地球:メンタワイ地域の地震応力 進化:誤りを指し示すパンデリクティス 細胞:二重の暴露 細胞:受精の最初の過程 神経:神経運動系の代替装置 目次へ戻る