Nature ハイライト 細胞:二重の暴露 2008年12月4日 Nature 456, 7222 志賀毒素産生性大腸菌(Shiga toxigenic Escherichia coli)は重症の消化器疾患を引き起こすが、その原因の一部はサブチラーゼ細胞毒素によるものだ。今回、この毒素のBサブユニットが、N-グリコリルノイラミン酸を含む多糖に高い親和性をもつことが示された。ヒトはこの単糖を合成しないが、赤身の肉や乳製品などの食物から摂取したものが腸や腎臓組織に取り込まれる。皮肉なことに、N-グリコリルノイラミン酸を豊富に含む赤肉や乳製品は、毒性細菌の汚染が最も多くみられる食物でもある。そのため食べ物の選び方によっては、ヒトは、自身の組織が主要な毒性因子に対する感受性を獲得するのと同時に、病原菌に暴露される場合があり、病気によりかかりやすくなるのである。 2008年12月4日号の Nature ハイライト 宇宙:ティコ・ブラーエが観測した超新星はIa型だった 気候:北極域でのメタン放出を再検討する 細胞:幹細胞の老化 宇宙:金星の雲を調べる 地球:メンタワイ地域の地震応力 進化:誤りを指し示すパンデリクティス 細胞:二重の暴露 細胞:受精の最初の過程 神経:神経運動系の代替装置 目次へ戻る