Nature ハイライト 細胞:受精の最初の過程 2008年12月4日 Nature 456, 7222 哺乳類の受精の最初の過程は、卵を取り囲む膜(透明帯)中の外被タンパク質と精子間の認識であり、これによって、種特異性と卵に1個の精子のみが受け入れられるという規則がしっかり守られる。マウスの透明帯タンパク質ZP3は精子の主要な受容体であり、その最もよく保存されたドメインであるZP-Nは、多様な生物学的機能をもつ多数の細胞外タンパク質にも存在する。今回、ZP3のZP-Nドメインの結晶構造が決定された。ZP-Nは免疫グロブリンに似た折りたたみがされているが、免疫グロブリン様の他のドメインとはあまり類似点がなく、このスーパーファミリーの新たなサブタイプとして区別される。ZP3のZP-Nの構造は、哺乳類の受精を原子レベル分解能で解明する手がかりとなるとともに、生殖医学や、ZP-Nをもつタンパク質が関与する非症候性難聴、または腎機能や血管異常などの病気にもかかわりがある。 2008年12月4日号の Nature ハイライト 宇宙:ティコ・ブラーエが観測した超新星はIa型だった 気候:北極域でのメタン放出を再検討する 細胞:幹細胞の老化 宇宙:金星の雲を調べる 地球:メンタワイ地域の地震応力 進化:誤りを指し示すパンデリクティス 細胞:二重の暴露 細胞:受精の最初の過程 神経:神経運動系の代替装置 目次へ戻る