Nature ハイライト 物理:ポラリトン凝縮体 2009年1月15日 Nature 457, 7227 電子と正孔が結合した対である励起子は、比較的高い温度でボーズ・アインシュタイン凝縮体(BEC)のような状態を形成するはずである、と予測されてきた。最近、半導体微小共振器中で励起子-ポラリトンによってBECが形成されることの証拠が報告されたが、これは励起子と光子の混成状態である。そのようなポラリトン凝縮体では、超流動のような挙動が予想される。しかし、微小共振器ポラリトンは短寿命なので凝縮体が熱平衡状態になく、異常な性質を示す可能性がある。Amoたちは、微小共振器ポラリトン凝縮体を動かすパルス光励起技術を開発し、欠陥を横切る際に抵抗なく流れるなどの超流動特性をもつ集団ダイナミクスがはっきり現れることを観測している。今回の研究は、非平衡凝縮体のダイナミクスを研究するための新しい方向を示している。 2009年1月15日号の Nature ハイライト 細胞:培養系で疾患を模倣 生理:視覚のもう1つの側面 宇宙:「青色はぐれ星」の起源 物理:ポラリトン凝縮体 進化:魚類の進化史に誤り? 細胞:概日周期で働く合成回路 脳:体験から学ぶ 細胞:昆虫にも足細胞に似た細胞がある 植物科学:効率よく成長する植物 目次へ戻る