Nature ハイライト 進化:魚類の進化史に誤り? 2009年1月15日 Nature 457, 7227 棘魚類は大昔に絶滅した化石魚類であり、軟骨魚類と硬骨魚類との分岐点付近に位置付けられている。その形態は、有顎脊椎動物の初期進化に関して多くのことを明らかにする可能性がある。問題は、棘魚類の体の構造がよくわかっておらず、わかっている構造の大半はアカントーデス属のものに限られていることである。この属は、棘魚類の進化史上では後半にあたるペルム紀に存在していた仲間で、棘魚類の代表的分類群とはいえないと考えられる。今回M Brazeauは、棘魚類が最も栄えていたデボン紀初期(約4.15億年前)のPtomacanthusの頭蓋について、初めての詳細な記述を報告している。その結果から、棘魚類はおそらく自然群ではなく、Ptomacanthusはごく初期のサメ類、または現代のすべての有顎脊椎動物の共通祖先に近い動物のいずれかであることが明らかになった。 2009年1月15日号の Nature ハイライト 細胞:培養系で疾患を模倣 生理:視覚のもう1つの側面 宇宙:「青色はぐれ星」の起源 物理:ポラリトン凝縮体 進化:魚類の進化史に誤り? 細胞:概日周期で働く合成回路 脳:体験から学ぶ 細胞:昆虫にも足細胞に似た細胞がある 植物科学:効率よく成長する植物 目次へ戻る