Nature ハイライト 免疫:エイズワクチンの見直し 2009年1月1日 Nature 457, 7225 近年のエイズワクチン開発の失敗は、エイズワクチン全体について大規模な再評価を促すことになった。そこで問われた問題の1つが、T細胞によるHIV-1ワクチン開発を継続すべきがどうかというものである。だが今回、サル免疫不全ウイルス(SIV)を攻撃接種したサルを使って新たなワクチンに関する研究が行われ、T細胞を用いた方法はまだ見込みがあるらしいことが示唆された。このワクチンは、SIVのGagタンパク質を発現する2種類のアデノウイルスベクター(rAd26を初回免疫に、rAd5を追加免疫に用いる)を用いて作製されたもので、強力なT細胞免疫応答を引き起こし、感染をある程度防止した。これらの研究結果は、HIV-1に対する新世代のT細胞ワクチン候補の設計の方向性を示すものといえる。 2009年1月1日号の Nature ハイライト 細胞:がん幹細胞の自己複製 細胞:DNA二本鎖切断の新しい修復経路 宇宙:星形成での自己重力 量子情報科学:限界までスクイーズする 行動進化学:いい人であることの御利益 視覚:画像を作り上げる 免疫:エイズワクチンの見直し 細胞:骨髄のニッチ 細胞:バーシカンが転移を進める 目次へ戻る