Nature ハイライト 細胞:骨髄のニッチ 2009年1月1日 Nature 457, 7225 造血幹細胞は、骨髄中でニッチと呼ばれる特殊な制御環境のもとにあることが知られている。このニッチの存在場所や特徴の詳細が、2つの巧みな画像化研究によって明らかになった。L Celsoたちは、生きた動物で個々の造血細胞を追跡し、骨芽細胞には微小血管が絡まっており、造血細胞集団は分化の程度に応じて異なった領域に位置することを見いだした。Xieたちは、新しく開発されたex vivoリアルタイム画像化技術と免疫測定法を用いて、蛍光標識した造血幹細胞が放射線照射に応じてホーミングする様子を追跡した。そして骨髄腔内側を覆う膜が、正常時には造血幹細胞を維持し、骨髄が損傷を受けたときには造血幹細胞の増殖を促進する働きを担う特殊な領域であることを明らかにした。 2009年1月1日号の Nature ハイライト 細胞:がん幹細胞の自己複製 細胞:DNA二本鎖切断の新しい修復経路 宇宙:星形成での自己重力 量子情報科学:限界までスクイーズする 行動進化学:いい人であることの御利益 視覚:画像を作り上げる 免疫:エイズワクチンの見直し 細胞:骨髄のニッチ 細胞:バーシカンが転移を進める 目次へ戻る