Nature ハイライト 細胞:リボソームがもつ校正機構 2009年1月8日 Nature 457, 7226 細胞でのタンパク質合成について報告されている高い忠実度は、in vitroでの翻訳過程の研究からは完全に説明できていない。細胞のほかの主要な巨大分子合成装置の構成要素であるDNAおよびRNAポリメラーゼ複合体は校正機能を備えているが、リボソーム自体にはそのような活性がこれまで見いだされていなかった。今回H ZaherとR Greenは、ペプチド結合形成後に作用してタンパク質合成の忠実度を確実なものにする、これまで特性が明らかにされていなかった機構を見いだしたことを報告している。伸長中のポリペプチド鎖に誤ったアミノ酸が組み込まれると、リボソームの活性部位の特異性が全体的に低下し、それによって蓄積した誤りがペプチド合成を途中で終了させるのである。このペプチジル転移後の編集機構は、in vivoのタンパク質合成で達成される非常な正確さの解明に役立つものだ。 2009年1月8日号の Nature ハイライト 細胞:リボソームがもつ校正機構 宇宙:天体の磁場を生み出すダイナモ 地球:小惑星の地殻形成 脳:正しい音で歌う 医学:非番のキラー細胞 免疫:経験から得たものは大事に 細胞:炎症とがん 聴覚:繊毛がバランスをとる 生理:脂肪を消費して生き延びる耐性幼虫 目次へ戻る