Nature ハイライト 脳:正しい音で歌う 2009年1月8日 Nature 457, 7226 鳴禽類は、手本となる個体のさえずりをまねて覚える音声学習を行う。騒がしいコロニー内で、手本として学んださえずりを正確にまねるには、それぞれの鳥が、自分の出す声とほかの音とを区別しなくてはならない。このため、鳴禽類はヒトと同じように、発声の誤りを検知できる脳内機構を備えていると考えられてきた。G KellerとR Hahnloserは、キンカチョウの前脳聴覚野に、自身のさえずり、または、さえずり再生音の乱れに特異的に応答するニューロンを発見したことを報告している。これは、前脳聴覚野に誤差をチェックする計算機能があることを示唆している。これにより、発声模倣学習の基盤として古くから想定されていた理論的概念である内部モデル理論が実証されたことになる。 2009年1月8日号の Nature ハイライト 細胞:リボソームがもつ校正機構 宇宙:天体の磁場を生み出すダイナモ 地球:小惑星の地殻形成 脳:正しい音で歌う 医学:非番のキラー細胞 免疫:経験から得たものは大事に 細胞:炎症とがん 聴覚:繊毛がバランスをとる 生理:脂肪を消費して生き延びる耐性幼虫 目次へ戻る