Nature ハイライト 地球:小惑星の地殻形成 2009年1月8日 Nature 457, 7226 小惑星の一部には、地球型惑星と同様に地殻があり、それらが大規模な分化過程を経ていることの証拠が玄武岩質隕石から得られている。最近、南極東部のグレーブス・ヌナタク氷原でGRA 06128とGRA 06129という1対の隕石が見つかり、初期に分化した小惑星の地殻の組成を決定する機会が得られた。約45億年という年代からすると、これらの隕石は太陽系形成の初期に形成されたと考えられる。その組成は、長石に富む安山岩であって、揮発性物質の多い酸化された小惑星から部分溶融によって生成されたという起源とおおむね矛盾せず、地球の大陸地殻と非常によく似ている。このことは、地球上でこのような岩石を生み出すプレートテクトニクスとは異なる別の機構によっても、安山岩の地殻が形成されうることを示している。 2009年1月8日号の Nature ハイライト 細胞:リボソームがもつ校正機構 宇宙:天体の磁場を生み出すダイナモ 地球:小惑星の地殻形成 脳:正しい音で歌う 医学:非番のキラー細胞 免疫:経験から得たものは大事に 細胞:炎症とがん 聴覚:繊毛がバランスをとる 生理:脂肪を消費して生き延びる耐性幼虫 目次へ戻る